大規模なキャンプを企画してくれた人がいて、それに誘ってくれた人がいて、僕は友達を誘いキャンプに行ってきた。
なかなか大人数で、すごい規模だった。
幹事はさぞ大変だっただろうなと心から思う。
酒を飲み、音楽に身を任せて踊り、歌い、朝までバカ騒ぎ。
これはこれで楽しいもの。
ただ、その日の俺達は、森の中で静かにしていることに心地よさを覚えていた。
静かな森の中で、遠くからみんなの騒ぐ声が聞こえてくる感覚も悪くなかった。
頭が妙に冴え、声が良く聞こえた。
目の前にはホタル達が飛び交っていた。
久しぶりに携帯もなく、時間の感覚もなく、いい夜を過ごした。
それから、俺は朝早くに、森のもう少し奥まで一人で散歩にいった。
夜通し騒いでいた人たちもさすがに疲れたのか、森は本当に静かになっていた。
森の奥に行くには、岩とかを登らないといけなくて、俺はサンダルを履いて行ったことをその時後悔した。
夏の暑さが始まる前の森の中は、寒いくらいにひんやりとしていた。
あちこちにコケが生えて、崖の途中から木が飛び出していた。
良く見ると言えば、見る景色なんだが、その時の俺はその景色を素直に見れていた。
なんて言うのか、
その時の俺の中には何もなかった。
すんなり自然を受け取っていた。
この瞬間が好きだ、と改めて思った。
それから、人が来始めて、うるさくなった。
俺は戻ることにした。
その時帰り際に
「虫だ、気持ち悪い、最悪!!」
という言葉が耳に入ってきた。
俺が、それまで本当に気分良くいた場所が、その人には最悪な場所となったようだ。
本当に全てはその人次第であるな。
このキャンプ、俺なりに学ぶべきところもいくつかあって、本当に良い時間を過ごしたよ、
ありがとう!!!